雑感

悪意無きペテン師が国費でポエムを綴っている。

そして職務に忠実な弁護士どもは悪意にすら欠ける報道陣を予定調和的にだしにすることで概ね最善手を打った。

（続き）

けど、それでも、この状況の中で一番に罪深い者を挙げるならば、それはやはり無自覚な観客なのだろう、と思う。腐れ政治屋の筋書きも腐れ報道陣のお膳立ても、それを許す土壌が先になければ機能しないのだから。ましてやペテン師本人なんぞは文字通りの意味でトカゲの尻尾に過ぎない。その意味において、口当たりの良い話にホイホイと乗ってしまう、政治的には善良な市民の総体こそが、この腐りきった状況を招いた元凶なのだ。誰かの尻馬に乗ってそこに腐敗があると喚く前に、まずは己自身がその腐敗に荷担してはいなかったか、よくよく考え直さなければならない。

結局のところ平均的な市民というものは自らの生活を楽にする黒魔術を欲するだけで、現実に生活を支えている科学技術には実際には何の興味もないのだ。その無理解と無関心に無自覚でありながら、それを専門家の手に全く委ねるだけの信念も持ち合わせてはおらず、平均値としての多数派であるが故に数の暴力によって正当な専門家を圧殺する。まあだからといって“魔術師”の特権階級化を許したらどうなるのかという問題もあるわけで、そう簡単に手の届く範囲内にはまともな解決策はないのだろうけれど。今更ここで古式ゆかしく宗教の領分に頼るというのもぞっとしないし、かといって善良かつ万能なる独裁者の誕生を待つというのは策の勘定には入らない。

現代社会は、一般市民に無茶な性能要求を課さずとも正常動作を維持できるほどには、進歩していない。

---

直感的にはトカゲの本体 (実行犯に対しての計画主犯という意味で) は別に存在している気がするけれど、今のところは憶測の域を出ないのでノーコメントということにしておきます。観察事実に基づいてペテン師呼ばわりしているのとは意味が違うのです。まあ少なくとも事態を斯様にこじれさせた点についてはその罪を問われるべき者が他にもいるだろうとは思いますが、いずれにせよそれでペテン師がペテン師ですら無くなるという筋書きは既に有り得ないので、いくらペテン師だからって扱いがひどすぎるとかどうとかいうような話は別として、事実としてペテンを働いた点は覆らないのでペテン師はペテン師です。

もっとも今の状況では、当初の印象での“トカゲの尻尾”とは少し違ってきていて、この尻尾は尻尾なりに大変に有能であることが明らかになってきている点には注意しなければなりません。仮にペテン師親玉からペテン師手先に格下げになったとしても、かなり優秀なペテン師手先であると言えましょう。とはいえ職業がペテン師のままでは人聞きも悪いでしょうから、ここは一つ詩人なり教祖なりに転向すれば大成功するのではなかろうか。特段に選り好みしなければ無知無学無能の三拍子揃った友軍が掃いて捨てるほど見つけられそうだし、既に得られた知名度の高さから立ち上げには苦労せずにすむでしょう。もっともそれでうまくいってしまった場合、ほぼ確実に大いなる公共の敵に育ちそうな予感がするので、個人的には全く応援できません。