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status update

2012/10/24 更新

(続き)

・・・なんで明日の日付なのかというような謎はさておくとして、連符。なんですが。

結論から言うと、拙作ともえがーでは121023仕様の取り込みは行いません。今回の変更では直前の120724仕様からの上方互換性は保たれているようなので、現行版をそのまま継続してお使いください。


以下背景説明。

まず大前提として、表記上の連符対応があろうとなかろうと、発音上の連符を表現すること自体は可能です。つまり今回の仕様更新によって「新たに可能になった表現」はほとんどありません。よって機械変換組にとっては、これが文字数削減の役に立つかどうか、ただこの一点のみが焦点となるわけですが、実際の挙動を調べてみますと・・・

  • 連符の基準となる音価の制約は通常の音符と同等です。つまり1/64が下限で、範囲内の任意の音価に対して正常に動作します。
  • 連符内での音価の個別変更は一切不可能です。和音内での変更もききません。唯一の変更手段はタイです。

・・・という具合でして、ええと一つ目はまあそんなもんだろうと思いますが問題は二つ目のほうで、要するにゲートタイムを切っている場合にはそもそも適用すること自体が不可能に近く、逆にペダルを踏まれた場合も使った時点で負け確定なタイ以外には逃げ道がないので事実上お手上げに等しい。厳密に言えば休符は辛うじて通るので、ゲートをきっかり半分で切っている場合は a/3x/3a/3x/3a/3x/3(6axaxax/ と見事に文字数半減できるものの、実際の譜面でこれが適用できる場面がどれくらいあるのかと考えると比較的もにょっぽい。実際問題として一曲通して3連符とかいうような極端な状況であれば、最初から12/8等で譜面を起こした方が手っ取り早いわけで、連符が連符として使われている限り出現数はそう多くはないはずだし。

一方、例えば3連64分音符による96分音符は通常の音価下限を割り込んでおり、この部分は連符表記によってのみ可能となる新たな表現領域 — というかα仕様では普通に可能だったのにβ仕様で不可能にされた暗黒領域なんですが、まあ経緯はともかく現行仕様ではこういった音価は連符表記を使わないと出力することができません。なのでこういう細かい表現が必要な場面では連符表記は役に立つのですが・・・そういう細かい表現ってのは要するにアルペジオであって、つまりゲートタイムはもっとずっと長いのが普通であって、タイ使ってすごいことすれば不可能ではありませんが文字数大爆発です。正直あんまりおいしくありません。

以上の状況を総合するに、連符表記の出力対応には、局所的に得がある場面はいくつか想定できるものの、全体的には言うほどの利点は無いという判断になりました。まる。まあタイと同じで手書きの人向けの機能ということで。


ところでMIDIDulcimer は明らかに Hammered Dulcimer の意味であってツィター属(というかリュート属というか)の方じゃないはずなんだけど、これはもう修正する気ないよ的な意思表示なんですかね・・・。